はまだやま耳鼻咽喉科めまいクリニック
TEL.03-6379-6317

めまいについて
求人情報
待ち状況
はまだやま耳鼻咽喉科・めまいクリニックの地図
はまだやま耳鼻咽喉科
・めまいクリニック
〒168-0065 
東京都杉並区浜田山3-34-15
03-6379-6317

京王井之頭線 浜田山駅から徒歩2分
お問合せはこちら→TEL.03-6379-6317
めまいについて
めまいがしたら・・・。

めまいを経験したことのある方はそれほど多くはないと思います。
でも、めまいがしたら非常にびっくりしますし、気分も悪くなります。すぐに治ったとしてもとても不安にもなります。

めまいがしてもどの診療科にかかればいいかわからなくて、迷っている方が多いのではないでしょうか?
また、めまいの症状が一時的で、すぐに治ってしまうことも多いため、病院で診察をうけたときには症状がなく、“なにも異常はない”と言われてしまうこともあるのではないでしょうか??
めまいの疾患は神経内科、脳神経外科、耳鼻咽喉科など医療のさまざまな分野にまたがっています。
患者さん方が、ご自分のめまいがどの科のめまいにあたるのかが判らないのは、当然のことですし、どの科にかかればよいのか判らないと感じるのも当然のことと思います。
その部分のご相談も含めて耳鼻科のめまいクリニックを受診していただければよろしいかと存じ上げます。

実際にめまいの診断は、医者の立場でも難しく、めまいの代表的な病気(たとえば、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎など)にあてはまらない患者さんもたくさんいらっしゃいます。
また、その中に、重大な脳の病気が潜んでいる可能性は常に否定できません。
特に、症状がすでになくなっている方の診断を決めることが難しいのは事実です。
しかし、その時点で症状がなく、検査でも異常がなくても、めまいの起こり方、めまいの様子、めまいの繰り返す具合、めまいの続く時間などをお聞きすることで、めまいの原因を絞り込んでいくことは十分に可能であると思っております。

すべての病気についていえることですが、解答はひとつではありません。患者さんの数だけ、病気の状態は存在し、まったく同一の病態であることはないと思っています。
そんな姿勢で、日々診察に臨んでおります。

“めまい”の症状にもいろいろなタイプがあります。

ぐるぐる目が回るような“回転するめまい”、揺れる感じの“ふわふわ・フラフラするめまい”、
くらっとする“立ちくらみのようなめまい”と大まかに分けることができます。

●回転するめまい
突然、自分自身が回転しているようなめまいが起こります。
回転するめまいの多くは、耳の異常によっておこることが多いといわれています。
そのため、耳が聞こえにくくなる(難聴・耳鳴り)こともあります。また、治療せずに放っておくと、そのまま難聴になってしまう恐れもあります。
ただし、回転性のめまい感だからといって耳が原因と決めつけることはできません。
脳出血や脳梗塞といった脳の異常でも回転性めまいが起こることがあります。
すぐに治っても、脳出血や脳梗塞の前触れとなることもあるので注意が必要です。
(とくに、高齢者や、高血圧・高コレステロール血症・糖尿病などがある方は注意が必要です。)

考えられる病気としては次のようなものがあります。
良性発作性頭位めまい症、メニエール病、めまいを伴う突発性難聴、椎骨脳底動脈循環不全、前庭神経炎 など

●ふわふわ・フラフラするめまい
突然、あるいはだんだんと症状があらわれ、フワフワ揺れる感じが続きます。頭痛やしびれ、運動まひなどの神経に関係する症状を伴うことがあります。浮動性めまいの多くは、脳の異常が原因で起こるといわれています。
脳への血流不全が原因となることが多いようです。
首から脳へとつながる椎骨(ついこつ)動脈と脳底(のうてい)動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれず、めまいが起こります。
やはり、すぐに治っても、脳出血や脳梗塞の前触れとなることもあるので注意が必要です。
また、頻繁にあるものではないですが、脳の腫瘍などのほかの脳の病気の可能性もあるため、症状によっては脳の検査が必要になります。

考えられる病気としては次のようなものがあります。
椎骨脳底動脈循環不全 脳梗塞・脳出血とその後遺症 脳腫瘍(聴神経腫瘍など) 
脳の変性疾患(脊髄小脳変性症など)

●立ちくらみのようなめまい
立ち上がるとクラッとしたり、目の前が暗くなったりするめまいは、血圧の変動に関係する病気が原因として考えられます。
脳に送られる血液の量が少なくなること、不安定になることで、めまいが起こります。低血圧(起立性低血圧)、不整脈、貧血などの病気が考えられます。
内科や循環器の医師に相談するのがいいことあります。
また、ストレス、睡眠不足、生活のリズムの乱れ、過労などにより、症状が重くなることがあります。
考えられる病気としては次のようなものがあります。
低血圧(起立性低血圧) 高血圧 不整脈 貧血 脳循環不全による自律神経障害(起立性調節障害のような症状)降圧剤の副作用としての低血圧

めまいの病気はどんなものがあるのでしょうか?

●メニエール病
どんな病気でしょうか??

ぐるぐる回転するめまい、それと一緒に難聴・耳鳴りが起こる病気です。それを何回も繰り返しますことが特徴です。診察するときに、“繰り返すこと”と“難聴などの耳の症状が一緒に起こる”という二つの要素が重要になります。その二つがあることで、診断が確実になります。
そのため、症状が“めまいのみ”で、あるいは“初めて”のときに、メニエール病という診断がつくことはあまりありません。
メニエール病のめまいは、大抵は数時間続きます。短くても10分以上、長くても1日続くことはありません。
その発作は繰り返しおこり、その頻度は、週一回から、年に数回とさまざまです。
聞こえはかならずしも元に戻るとは限りません。めまいの発作を繰り返すうちにだんだんと聞こえが悪くなってしまうことが多いようです。

病気の原因はなんでしょうか??
内耳は“内リンパ”という液体で満たされています。その液体が増えすぎると内耳がむくみ、めまいが起こります。この“内リンパ”が増えすぎた状態を内リンパ水腫と呼びます。
めまいのほか、難聴や耳鳴り、耳が詰まったような症状が起こります。
また、メニエール病が発症するきっかけとして、精神的ストレス、肉体的過労、睡眠不足などが知られています。家庭内の不和、転職などの環境の変化、職場におけるさまざまな問題、受験勉強など、ストレスの原因は多岐にわたります。

メニエール病の治療は?
めまいの発作がひどいときは、抗めまい薬(めまいをとる薬)や吐き気止めを使って症状を抑えます。
また、不安感が大きいときは、抗不安薬(不安を和らげる薬)を使うときもありあす。
発作が治まっても今後も同様の症状を繰り返しやすいと考えられています。
そのため、発作が落ち着いたあとは、しばらくの間、浸透圧利尿薬(むくみをとる薬)を飲む必要があります。
この薬によって、めまいの発作の回数が減り、だんだんと落ち着いてくることが多いといわれています。
メニエール病にかかったり、その症状が長引いたりする原因として、日常生活のストレスが関連しています。
そのストレスを軽くすることも、治療につながります。
患者さんが意識的にストレスを軽減・回避することも非常に重要です。
それ以外に、“水分摂取”“有酸素運動”も治療に有効であると、最近の研究では報告されています。
専門医に適切な生活指導を受けることで、症状が軽くなることが期待できます。
メニエール病は一度、かかってしまうと完治は難しい病気ですので、いろいろな治療法を組み合わせて、根気よく治療しなくてはなりません。

メニエール病のひとはそれほど多くない!自己診断しないように。
“メニエール病”という病気はめまいの代表格として扱われていますが、めまいの患者さんのうちのわずか10%程度です。(統計的にも、10万人に40人ぐらいしかいないといわれています。)
また、診断も非常に難しく、専門医が診察しても、診断が決まるまでには数か月かかることもあります。
とくに、“原因不明の繰り返すめまい”“循環障害による繰り返すめまい”との判別は、専門医であっても非常に難しいケースが多く、診断に迷うことがあります。 めまいが起きたからと言って、“メニエール病”と自己診断せず、必ず専門医で診断を受けるようにしてください。

●良性発作性頭位めまい症
どんな病気でしょうか??

耳の異常が原因で起こるめまいの中で最も多い病気といわれています。
頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりすると回転性のめまいが起こります。
具体的には、寝返りをうったとき、朝起床時に寝床から起き上がるときなどに、ぐるぐる回転するめまいが起こります。頭を動かした瞬間に始まり、ひどいめまいがしますが、同じ姿勢でいると、すぐに軽快し消失します。持続時間は数秒から数十秒くらいです。
吐き気や嘔吐を伴うことがあります。めまいを繰り返すと、徐々にめまいの症状は軽くなり、めまいは起こらなくなってきます。良性発作性頭位めまい症は、めまい患者さんの20%〜40%を占めると報告されています。

原因は??
内耳に前庭と呼ばれるところがあり、そこに耳石という物質があります。
その耳石の一部がはがれて、内耳の別の場所(半規管という場所)に入り込んでしまうと、めまいが起こるといわれています。
“前庭にある耳石”、“半規管の液体(リンパ)の流れ”などにより、人は体の動きや傾きを感じています。耳石が半規管の中に入り込むことによって、リンパの流れが変わり、めまいを起こすと考えられています。

どんな治療をするのでしょうか?
めまいの起こる頭の位置を繰り返してとることによって、慣れが生じてめまいが起きなくなってきます。
つまり、少しつらいこともありますが、積極的にめまいを起こすことによって、良くなってきます。
症状が強かったり、吐き気を伴うこともありますので、症状に応じて薬をのんで治療をします。
患者様によっては理学療法・運動療法も有効です。
Epley法といってはがれた耳石を元の位置に戻す方法あるいは自宅での頭位運動などのリハビリテーションなどで早期に治すことができます。ただし、めまいのタイプが治療法にあてはまったときのみ、有効です。すべての患者様に効果があるわけではありません。
半規管の形に沿って頭を動かしていきますが、半規管の構造は複雑ですので、必ず専門医の指導が必要です。

●前庭神経炎
どんな病気でしょうか??

突然激しいめまい感に襲われる病気で、ぐるぐる回転するめまいがします。めまい自体が強烈で、吐き気、悪心、嘔吐を伴うこともあるため、救急車で搬送されることもあります。
しかし、発作中でも、意識ははっきりしていて、難聴などの耳の症状を伴うことはありません。
めまい症状の発作は通常一回で、数日で軽くなり、1週間から2週間で歩くことは可能になります。
1か月ぐらいで、日常生活はだいたいできるようになります。

原因は??
かぜ(感冒)症状があり、そのあとに前庭神経炎になることがあるため、ウィルスによる前庭神経の炎症が原因として最も疑われています。しかし、循環障害などほかの原因も指摘されており、いくつかの異なる原因をもつとも言われています。
片側の前庭機能(バランスの機能)が急激に障害されるため、突然のバランス障害が起こります。

どんな治療をするのでしょうか??
めまいの発作がひどいときは、楽な姿勢で臥床し、安静を保ち、抗めまい薬(めまいをとる薬)や吐き気止めを使って症状を和らげます。また、吐き気・嘔吐が強いときは、点滴により水分を補充(補液)し、抗めまい薬・吐き気止めの投与を行います。
歩くこができるようになっても、フラフラする感じは少なくとも2〜3か月は続きます。
ビタミン薬・循環改善薬を飲みながら、平行訓練(リハビリテーション)を続けます。
(急性期にステロイドという強い薬を使うとよいという報告もあります。治療に関する、研究・報告は日々進んでいきます。)

●椎骨脳底動脈循環不全
どんな病気でしょうか??

首から脳へとつながる椎骨動脈と脳底動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれず、めまいが起こります。めまいの性質としては回転性のめまいになることもあり、フラフラする浮動性めまい、目の前が暗くなるめまいなど多岐にわたります。
患者さんの症状としては、視界がボヤーッとする、気が遠くなるなど、嘔吐、上肢のしびれ感を伴うこともあります。難聴や耳鳴りを伴うことはほとんどありません。
また、首を回したり伸ばしたり、からだを動かしたりすると、めまいが起こることがあります。すぐに治っても、脳出血や脳梗塞の前触れとなることもあるので注意が必要です。

原因は?
高齢者や、高血圧・高コレステロール血症・糖尿病などがある方は、血管が硬くなっていたり(動脈硬化)、弱っていたりします。そのため、椎骨動脈と脳底動脈の血の循環が悪くなり、この病気にかかりやすいといえます。椎骨・脳底動脈循環不全の症状が現われた場合は、脳神経外科を受診する必要も考えなくてはなりません。 
MRIやMRAなどの画像検査と症状から診断がつきます。

治療はどうしますか??
治療は薬物療法が中心で、血液の粘性を調整する薬、脳の循環を改善する薬、血圧をコントロールする薬を組み合わせて使用します。椎骨・脳底動脈循環不全は、一時的な血流障害であり、発作後、症状も消えてしまうことから、軽視されてしまうこともあります。
しかし、動脈硬化が原因である場合には、脳内の他の動脈にも動脈硬化が広がっているおそれがあるので注意が必要です。また、高血圧・高コレステロール血症・糖尿病を併せてもっている患者さんは、その内科的理療も必要です。

主な疾患(病気)を提示いたしましたが、めまいの症状のある病気はこれだけでなく、数えきれないほどあります。決してフローチャートのようなもので診断できるものではありません。
めまいの症状があった場合には、自己判断せずに専門医に相談することが大切です。

Copyright(c)2011 HAMADAYAMA Otolaryngology Clinic.All rights reserved.